靴音
服部 剛
長い間 探した虹は見つからず
今日の行方を、風に問う
僕の内面にある
方位磁針は
今も揺れ動いている
風よ、教えておくれ
ほんものの人の歩みを
日々が旅路になる術を
群衆の
眩暈
(
めまい
)
、僕の眩暈
時代の眩暈、君の眩暈
この街の淡い眩暈に
いつのまにか侵されて
よろめく僕は
雑踏の
只中
(
ただなか
)
に立ち止まり
息を吸っては、吐きながら
無数の靴音に埋もれた
人の鼓動を探して
もう一度 耳を澄ます
自由詩
靴音
Copyright
服部 剛
2019-02-03 23:59:24
縦