夜想
帆場蔵人

雨の夜の窓のなか
遠くに灯る赤い傘

赤い灯台、雨のなか
近くにゆけば遠ざかり

遠くにあれば懐かしく
夢路の窓は滲みます

あの灯台はなお赤く
赤子の頰もまた赤い

雨の町かど霞む丘

同じ道行き傘、紅く
絡めた指に流れる血

いまひとたび思う道のり


自由詩 夜想 Copyright 帆場蔵人 2019-02-02 01:24:43縦
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