冬野過ぎゆく時、死す
秋葉竹

冬野過ぎゆく風、

冬枯れのしろい空
痩せた私のこいびとが
その空をみあげて武器を振りあげる

冬野過ぎゆく風、

どんな性にとっても
哀しい事故も受け入れる
力を持たない空っぽの拒絶の色合いを知っている

冬野過ぎゆく風、

なにもそっと消えゆくために
心友(こいびと)の命をすり減らすのではなく
この街のど真ん中の川を流れている
とうろうの灯りにもにた
正しいこころの灯りを
むごんでながめながら
そこに流れる哀しみを
心に刻まれた野性の息で吹く
金と銀の笛の音を聴こう

冬野過ぎゆく風、

行きたくても行けない場所に行く

けれど、それが、死ではなかったのか









自由詩 冬野過ぎゆく時、死す Copyright 秋葉竹 2019-02-01 22:38:29
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