幽鬼
ルラ

少年期の 苦悩が
舌の上に 暗く燃える
燎原の火とも 思しく
火力を 増幅する

のたうつ 蟒蛇の様な
凶悪な 輪郭に
驟雨めいた 思考の
黒煙を漏らす 眼瞼

少年から 幽鬼へ
暗然とした 涵養を経
朧に 取り留めながら
風と筆を 捻転させる

暗い語彙への 奉仕を
霊性の 意義とし
俗物から 逸して
己の死に 斜陽していく


自由詩 幽鬼 Copyright ルラ 2019-02-01 08:23:06
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