廃墟
パン☆どら
広い空にはなんにもなくて
仰ぎ見る人は口を開ける
これは翼、と
遠いところへ行くよ
子供のころの君が寝そべって言う
私はまた一人になった
転がっている石なんか拾わない
昨日のことも スリッパもハンガーも
きれいさっぱり忘れてしまうに限る
去っていくもの
暗くて見えないもの
どうでもいいと君が言うようなもの
大切なものは
なに一つ思いつかない
今も昔も
ここにある虫けらが
由緒正しき証人
もう呼吸などしない枯れ木
そんなものの上で
日々を暮らして
紫色に消えていく
自由詩
廃墟
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パン☆どら
2019-02-01 02:15:50縦