カーニバル
ミナト 螢

透明な砂漠が
空に広がり
回るペダルで
時間を止めながら
誰よりも強い
世界を探そう

意識の中に
光を打つ魔法
薄いセロハンを
瞼に乗せて
たゆたう風の
踊りを眺めて

顔面に受ける
眩しいシャワーが
いちばん柔らかい
春の陽射しを

カーテンで隠すほど
弱い気持ち
振り払って
前へ進もうとする

狭いアパートの
舞台の上で
言葉や音符が
寄り添う心に
掃除機をかける
のは早すぎる


自由詩 カーニバル Copyright ミナト 螢 2019-01-31 16:59:16
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