ある日のえんばー3
若乱

(つづき)
岡崎市本宿町で宿後の、昔ながらの街並み、通り。庭木めちゃくちゃ美しく管理されていた。絶望一周回り、カラカラに乾いた青空で、なんか独り言とか大きくなり、「わぉ!美しい庭だ!」とか人んちの真ん前でしゃべったり、看板のある、古くて立派なお屋敷の前では、写真撮りつつ「すげぇ!本物だ、これ何の本物なのか知らないけど!」とか独り言。もう暑くて頭ふわふわした感じ。歩くの気持ちよくなってたかもしんない。
その通り抜けてすごいお寺があり、間違えてに礼に拍手一礼して、お金も投げ込まず、進む。門の上の彫刻がすごかった。そのまま進むと道路の下くぐる突き当り、T字路スマホ電池なく、ちゃんと見てなくて、ちゃちゃっと方向だけ確認し進む。
しばし東海道ではなく、東海道と並行している高速道路の脇の高速道路と山に挟まれた小さな道をずっと歩く。
なんとも奇妙なところで誰もいない感じ。時折車がびゅんびゅん飛ばして通り過ぎる。もうすっかり夕方で高速道路と山に挟まれた道がずっと続き、暗くなったら道沿いでテントか、など思う。しかしやたらと奇妙で薄気味悪く、鉄網のかぶせてある貯水槽が点々とあったり、ここはガス線が埋まってありますと小さな電柱に逐一貼ってあったり、ごみ不法投棄禁止の看板がひっくり返って立てかけてあり、そのそばに沢山ゴミが捨ててあったり、途中から、この通りはヤバいんじゃないか、と思えて(死人が埋まってんじゃねーか)姿勢を正し、早歩きする。四角柱の電話線が埋まってますの看板のあるところ、日も傾きかけるころ、通り過ぎるとゾワゾワと違う種類の空気を浴びたように鳥肌が立ち、やば、と思う。(怨念とか思いみたいなのってほんとにあるのかなぁ)東海道に戻りたく、2つ目の右折できるところで右折、お寺を坂道下りながら通り過ぎる。大量の墓、なんでもOkみたいな大きな看板横目に見て、肩すげー痛くなりながら国道一号へ。空耳。夕暮れを歩く。
(つづく)


散文(批評随筆小説等) ある日のえんばー3 Copyright 若乱 2019-01-30 19:00:00
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