ボーダー
ミナト 螢

涙と雨を掻き混ぜて
同じ輝きになるまで
見ていた

虹のベルトを
胸に締め付けて
白いワンピースの
模様にしよう

洗っても
消えることのない色を
思い出と呼んで
心にしまえば

どっちへも行けず
迷った記憶が
昔のかさぶたを
剥がそうとする

境界なんて
曖昧だからこそ
感情は泳ぐ
深く鮮やかに

ゴールとか
目標を忘れながら
風が吹くような
一瞬を生きる

涙を雨に例えるのは
もう古いだろうと
ワンピースが揺れた


自由詩 ボーダー Copyright ミナト 螢 2019-01-29 13:32:34
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