掌のロック。
秋葉竹

顔ゆがむ
酸っぱい
季節の嵐に巻き込まれた
大渦巻きのなれの果て
に耐えかねて
心の隙間に手を入れてみた


ポツンと、誰からも
理解されない
細くてか弱い
アドレスがあった


みんな、
紙のコップに
詰め込んだ
氷をこぼした
テーブルの
曖昧で単純な水の汚れと
甘ったるい缶コーヒーだけは
耐えがたいと顔をそむける

まにあいさえすれば
その微熱はぼんやりと
掌から心臓にいたる
淫らな季節を抱きしめる

醜さを怖れる拒否する林檎は
みんなみんな
白い蛇が芯まで食べればいい

明日の夜の
みえる夕方

陽は沈み
白い枯葉が舞い落ちる


そんな夢をみたのは
深夜3時の瀬戸際だった。
そんな夢には、これっぽっちも
髪の毛一本の重さもなく
死にたくなった深夜3時だった


それだけを
覚えていればいい






自由詩 掌のロック。 Copyright 秋葉竹 2019-01-29 04:49:30
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