若らん!2(思い上がり編)
若乱

世界は無から「生まれる」という感覚は少し違う
ただある途方もない無がふと区切られるだけのこと
僕がただ目を覚まし、見ると
世界は無から時間や場所や僕が区切られて「在る」になる

世界は何も変わらずそこに
生まれるとは0から1、な感覚だけれど
世界は時をも含めた状況そのもの
何も変わらずそこに

僕は目を開けた時
選ばれた断片は
今を刻み僕の重い瞼に鮮やかな対象を
その断片を見せる

逆に言えば目を開けた時
断片でしか世を知覚できないのだ…

君はもしかしたら
どこにでも誰にでもいつにでも
選ぶ事が出来るのかもしれない
愛によって、死によって

2018.12.28


生きているという罪に
無意識のうまい漂い方のできる人たちが
慰めの唄を歌い続ける

僕の小ささが失ったものたちの
回収はもうできない

ただ生きているのなら意味はないのだ
ただ生きているだけなのなら

しかし、僕はどうしてか
死んでいる暇もないような気がするのだ

ある日世界は、享楽の強者の地獄に思えた
ある日世界は、あるように、必然に回る、完全無欠の仕組みに思えた
ある日世界は、ひとひとの支えあう、最大幸福を目指す情に包まれた神の涙に思えた

カルマもない
目的もない
ないといえばそうだろう



着地
見えない世界に

所在なさげに
泣く 人々

2019/1/28


自由詩 若らん!2(思い上がり編) Copyright 若乱 2019-01-28 19:06:35
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