サヨナラは、好きだから
秋葉竹


浮き輪を
投げてあげたい無数の暗い努力の腕
アデューって挨拶を
輝く笑顔で友のためにする
好きなだけ
好きだから。


一番最初のまだ青い石榴の実は
眠るための大人の詩に
しっとりと頬ずりするキスみたいな味だ

ひっそりと
天使の通り道に
佇むだけで罠になる私。ハハ。

やめなければならない
頂点の支配には
死の意味しかないと
知ってしまったから
足が震えて進めない

ポケットにねじ込んだ
生きていてもよい理由のひとつ
おみくじで
大凶だったこと

を風車にすり替え
大凶をアデューにすり替える


ハハハ。

神様なんて
私の心の岸辺に佇んで
笑ってサヨナラしてくれている
年老いた憧れの人だ。カカカ、て。







自由詩 サヨナラは、好きだから Copyright 秋葉竹 2019-01-25 21:52:06
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