六角レンチで風穴を
ふじりゅう

左手で結晶を生成して
砂嵐の街道を逝く
つきみだんごをつまむ
命が喜ぶ 見上げる
やけに深い夜のとばりの中でも
ゆらめく電線は見える
苦労して作ったレゴブロックの城は
果たして誰かの呼び声で崩される
街道を逝く
よく分からないここの
よく分からない名前の昆虫の
罵ったようなギョロリに
僕はハッとした 無視し続けても
君達から逃れられないってこと
六角レンチで風穴を
透き通るほどの風穴を あけて


自由詩 六角レンチで風穴を Copyright ふじりゅう 2019-01-25 10:38:03
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