月と牛乳
赤椿

大きなフォークで ザクザクと

今日昇っていた月を 突き刺して

美味しい粉にしてしまおう

形あるものを 崩すのは

どうしてこんなにも 気持ち良いのか

今日の僕も いつも通り駄目でした

思い出すたびに 月にフォークが減り込んでゆく

満月から 新月へ

狂ったように 泣きながら腕を振り上げて

濃い牛乳が温まったら

月の粉を全て流し込んで

何も考えずに 眠リましょう


自由詩 月と牛乳 Copyright 赤椿 2019-01-22 23:10:48
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