アジアの純真 ふうに
オイタル

シルクを着ること
ミルクを飲むこと
居留守を使うこと
実務は措いてて
急務は忘れて
フィルムを準備して
玄関先の電話が鳴って
せわしい声に胸を押されて
私たちは出かけることとなった
ドアを蹴ること
耳を掻くこと
後悔をすること
腰を伸ばして
財布を押さえて
真っ赤なシャツを着て
出かけるったって どこにいきゃいいんだ
急げったって 何をすりゃいいんだ
こんなにひどい天気の日に
こんな年になって
思いついたことや
わかったことが多すぎる
出たかあないよ
近くによるなよ
説いてきかせるもめんどうな
だから
シルクを着ること
ミルクを飲むこと
居留守を使うこと
そして
シルクを剥ぐこと
ミルクを削ぐこと
居留守をすかすこと
いぇい
シャツを剥ぐこと
ミルクを削ぐこと
居留守を
いぇい


自由詩 アジアの純真 ふうに Copyright オイタル 2019-01-20 23:04:49
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