三月
ドライ運河

いいなあどんどん変わっていくお前を見るたびに成長の喜びに打ち震える
削いでよお削いでまた削いでよお
使える肉がへばり付いてるんならこそいじまえばいいんだ
なんにも出ねえ出汁なんざいらねえ
ぬらりとした舌の作法なんてよお
あら上階へそら地階へアゲサゲするだけのエレベーターみたいさあ
柔らかそうな地層を切削じゃ掘削じゃペロペロ
鳴り止まぬ三オクターブの振動音
協定領域では喝采に変わる同調圧
水音の豊かさを競い合い由としてきた生き物が連中の正体
くそ長い成分表示とにらめっこしててめえぇ面接官かよォ
あァ~これねえまあ悪いよねえ取れないんだよねえホントはねえ
ちょっと化調に頼りすぎみたいなねえわかるなあ
時代おくれだよなあわかるような気もしないでもないんだけどさあ
よくないよなァ~
だからついしこたましこしこと詰め込んじまった
過積載のダンプが突っ込んできても気づかないだろお
肥料とコンディショナーの違いもわからねえんだものあいつら
俺は知ってるよお
四月が来るたび空気の味を確かめてるお前の方がきっと上等なビニール袋だって
くるくるふわふわひらひら浮かびあがる袋だって
飾るのは花びらだけさあ
また会おうね


自由詩 三月 Copyright ドライ運河 2019-01-19 14:42:53
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