銀白の鱗
世界世紀

僕を見たひとは こう言う
「ゆうれいがいる」
アルファケンタウリから来たんです と
おどけてみても
遠巻きに小石を投げつけて
一人残らず去っていく

雪の中なら平気だと思ったんだ
薄ぼんやり色も消えていくでしょう
冷えて何もかも透けていくし
M78星雲は戦いの絶えない所だって知ってたから
スペシウム光線は最後の手段にとっておいたのに
カラータイマーの赤色が目立ちすぎたみたいで
だって明滅するんだもんなぁ
万歳して空に吸い込まれるしか
方法は無いじゃないか
銀色に小さく光って消えるだけさ

イーハトーヴに宛てた紙飛行機が
ようやく届いたらしいから
けんじ君によろしくねって、笑って
飛行船に乗り込もうと思ってる

バルスって叫んでも何もおこらないよ
飛行石は本当はアルファケンタウリにしか
無いんだから
君の白けた鱗はあちこちに
傷ついたまま傷つけたまま
早く脱皮しちまえよ
もう白蛇だって事は隠せやしないんだから
ちたまは冷たいなんてみんな知ってるさ
だから泣きながら手を繋いでるんだ


自由詩 銀白の鱗 Copyright 世界世紀 2019-01-16 06:13:15
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