0424
もり

黄色のパーカー羽織った
少女のきみが
駅の改札から出てきたとき
胸が高鳴ったの 覚えてる
ほんと
マジで、鳴ったの

土産売り場で
おれのことを探すきみに
後ろから声をかけたとき
とてもびっくりさせたよね
ごめんよ








ずっと一緒。 なんて






なんて残酷な響きなんだろう。





ねえ、思い出づくりって
ただのトラウマづくりなのかなぁ
桃色の着物を着たきみが
古い町並みの中で 光ってる 今も


清水寺で見上げた空は
交差した 飛行機雲
あの交点が つまりは 2人の、日々
また 別々に
飛んでって 遠くの空 消えてしまっても
それでもあえて またねって言う約束

言葉に導かれて この場所で 出会ったくせに
さんざん言葉を ないがしろにして
傷つけてきた おれは ばかで

何を言っても 何を書いても
ただ、今 この瞬間
とめどなく流れる涙が
きっと 本物の「詩」なんだ


桃色の着物を着たきみが
古い町並みの中で 光ってる 今も

その隣 猿沢池のベンチに座り
笑ってる おれは
何にも知らずに 永遠を信じてる


「ああ、きっと、おれたちも、

あんな時代があったんだね」




2人を残したまま




「またね」って。




夕暮れのプラットホーム




さようなら。


自由詩 0424 Copyright もり 2019-01-15 20:31:52
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