やさしい匂い
かんな


降り始めた雪が
肩先に触れるとき
人々は誰かに愛を告げ
別れを告げる
手のひらで溶ける冬
生きることからも
死ぬことからも逃げられない
吐く息がもう白い
ひらひらと落ちる結晶を
ただつかみ取る
信じたいのか
いつも季節が巡ることを
誰も悪くはない
春にはいっせいに花が咲く
やさしい匂いがする




自由詩 やさしい匂い Copyright かんな 2018-12-14 17:49:29縦
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