おこもり
梓ゆい

ぐずる甥っ子を抱き上げ
父はいつでも背中をさすりつつ
時折歌を口ずさみ
廊下や座敷を行ったり来たりと
泣き止み
眠りにつくまであやし続ける。

母となった娘が生まれたばかりのころ
ぐずって大きな声で泣きだせば
困って自分が泣かないように
すぐに抱き上げ背中をさすり
歌を口ずさんでは娘をあやした
まだまだつたない
子育ての日々を思い出して。


自由詩 おこもり Copyright 梓ゆい 2018-12-13 01:15:26
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