LED
長崎螢太
離れると 音もなく
落ちた 花びらは
ひとつひとつ 冷たく発光して
私たちは 消失のただなかで
不釣り合いな接続詞を
あてがい 続ける
たくさんの繊細な 傷を
指でなぞり 再生して
ゆめに潜るように
夜へ おちていく
もういちど
よるのとばり
明滅する LED
その光が
とても きらびやかで
さびしいね
三色に染まる 夜空
その足元に ながれている
乾いた空気
共鳴する半導体の 音
情景だけを 掬い取る
冷えた身体を
暖炉で あたためてやると
ほの白く 光っているようで
このミクロな部質が 放つ
不安定で あやふやな ものは
まるで
途切れては また繋がっていく
蔦のような伸びやかさで
緩やかに循環する ループの中心から
限りなく 生み出された
無色の ひかり (LED
その 冷たい瞬きで
暖をとるように
身を 寄せながら
ぼくたちは 歩こう
自由詩
LED
Copyright
長崎螢太
2018-12-12 16:14:24
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