石の合唱
服部 剛
誰かが蹴とばした丸石が
転がって
僕の爪先にぴたり、とまる
――丸石は、
囁
(
ささや
)
いた
空っ風が吹いてきて
一枚の枯葉は
喋
(
しゃべ
)
りながら
アスファルトを、撫でていった
よく見ると、丸石の周囲には
アスファルトに閉じ込められた
石達が無音の合唱を歌い
(口を開き)
一人ひとりの石達は
光の糸で結ばれながら
哀しく微笑みかけるのだった
信号待ちのひと時
立ち止まる、歩行者の僕に
自由詩
石の合唱
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服部 剛
2018-12-07 23:18:53縦