鱗が泳ぎ 悲しみを研ぐ
朝焼彩茜色

神様 私は悲しみと向き合っているだろうか

絵具で押し当てた灰色の空に ギラギラと鱗が生える

その日の空自身が自ら仰ぎ泳ぐように

時間を動いて泳いでいる

ぐだりぐだり

片足を引きずった葬儀屋が合掌の指先から

整える火花を暈して

見送った

神様 私はきちんと悲しみと向き合っているだろうか

心にあいた穴にティッシュを詰めて日常を研ぐ

ふと触ってくるモノに鱗が反応して
君がいなくて淋しいと空が揺れる 涙を落とした波紋


神様 私はきちんと悲しみと向き合っているだろうか

ぐだりぐだり

ギラギラ鱗が落ちてゆく

君の毛並みにすりすりして落ちてゆく



自由詩 鱗が泳ぎ 悲しみを研ぐ Copyright 朝焼彩茜色 2018-12-02 23:14:18
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