la_feminite_nue(死に巫女)

ゆび先が追う雲……
あの空には、レモン色のなにかがまじっているにちがいない。
 かすかな酸味にみちて。

ゆれる線譜のうえを、
つらなる音がながれていく。
 それぞれの音が、それぞれの頂点でふるえて。

秋の木の葉たちは、
 さざ波のように、
お互いを呼応しながら追いすがっていく。

ふるえ、ため息つくとき……
 かすかな雨音が地に響いた。
 ふるえ、かすかなため息つくとき。

まじりけのないグレー。
 すべての入り交じった。カンバスのなかに、空。


自由詩Copyright la_feminite_nue(死に巫女) 2018-11-23 22:56:21
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