我こそフルーツ、我こそポンチ
ブルース瀬戸内

フルーツポンチの ような顔をして
宇宙の果ての 果ての隅っこで
フルーツポンチを やってはいますが
その正体が いったい何かは
当の本人も 分からないのです

鏡を見たけど どこから見たって
フルーツポンチで 困ってしまって
ポンチにすべてを 捧げたわけでも
ポンチになにかを 預けたわけでも
全然ないのに 誰よりもポンチ

桃なんかよりも 断然ポンチで
みつ豆さんより 余裕でポンチで
パインよりポンチ りんごよりポンチ

今や誰よりも ポンチ顔かまし
今や何よりも ポンチ然として
いやいや勘弁 おれはポンチじゃ
ございませんです ご理解ください
思わず口にし 後悔もします

とはいえとはいえ 困ってはいます
何かのフルーツ だったはずなのに
そのことも忘れ 流れ流されて
気づけばなんとも 不思議な存在
気づけば人生 決まってたのかな

運命誰かに 託してみるのは
それはそれとして 素敵だけれども
託した覚えも ございませんのに
どうしてこうして ここにいるのです
昔の姿で 未来が押し寄せ
はらはらと散る 時間に寄り添い
落下地点から 世界を見てます

でもでも最近 こう思うんです
だからどうしたと それがどうしたと
宇宙の果ての 果てで思うんです

やけっぱちでなく 自信みなぎらせ
私はやっぱり この体を愛で(めで)
私はとにかく この心を愛で
私はなにより 運命をも愛で
私はそれでも 偶然をも愛で
我こそフルーツ 我こそポンチと
つまりは我こそ フルーツポンチと
頼まれなくとも 宣言したいと
そう思うのです 強く思います

何者でもない 空漠の私
何も遂げてない 無風の私が
遂にやっとして フルーツポンチに
なることができたと そう思うんです

気高きフルーツ 孤高のポンチと
考えてみたり しちゃったりして
胸が高鳴って 前向きになって
彼女ができて しまうかもなんて
しまうかもなんて しまうかもなんて
考えています かもですよ、かも


自由詩 我こそフルーツ、我こそポンチ Copyright ブルース瀬戸内 2018-11-22 12:53:35
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