凛々と
ミナト 螢

無表情な肩のラインに沿って
赤信号の続く右腕が

誰かと呼び合うお揃いの鈴で
青信号に変わる瞬間を
踏み出す時の一歩を忘れない

遠く近くに感じる鈴の音を
重ねるだけで聴こえるメロディが
何通りもの風を揺らしてゆく

人混みの足音を高く抜ける
叫び声に似た小さな命や
僕たちは寂しい存在じゃない

着地を決めるために二人になって
肩が笑うほど動き回って

坂道を一緒に手を繋いで
転げ落ちたら潰れる鈴を捨て

喉を枯らしても伝えたい言葉
聞こえにくいならもっと近づくよ


自由詩 凛々と Copyright ミナト 螢 2018-11-22 08:21:45
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