紅葉を眺めながら
ふじりゅう

70、いや、80、頃だろうか
しわくちゃの手をそっと
かさねて 思い出そう
今どき?と思われてもいいから
一眼レフで写ろう
靡く髪から少しだけ 保乃香の匂い

ハイスピードで駆ける原付
ハンドルをキュッとひねれば
簡単に死ぬ 消える ギリギリの人生に立ち

将来が真実か分からないけど

背中合わせで浸した話 沢山

クルマは無くなってるかも知れない。
故郷は過疎化で苦しんで
機械へ脳みそが移植された体で
「ホノカ」、と呟いているかもしれない。
電車は時速260キロで進み
殆どが24時間営業になり 昼夜は無くなり
轟轟うるさい 日本

だから、海を見に行こう。
しょっぱいあの時を
感じにいこう 歌いながらさ。

遠くを旅しないか。真っ赤に染まって
枯れ落ちるだろう 紅葉と
同じようなぼくたちを
眺めに行かないか。もう一度。


自由詩 紅葉を眺めながら Copyright ふじりゅう 2018-11-19 22:33:18
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