炎色
新染因循

雲のなかの金属たちは
艶やかな焔となって、

夕暮れに言葉は燃えた
頬を赤らめるしかなくて
赤々と燃えた

だが街は暮れていくばかりだ
街頭の影が背伸びをしても
たしなめる者もいなくて、

幼子よ、
頬を赤らめて走る幼子よ、
そしてお前は言葉をにぎって
街路樹でたき火をした

夕暮れに言葉は燃えた
降りそそぐものは灰か雪か夢、
そして寒い寒い夜がくる。


自由詩 炎色 Copyright 新染因循 2018-11-18 19:22:27
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