掌に乗るもの
藤鈴呼


たわごとばかり くりかえす
いいえ ざれごと などと いう

癒えぬ傷なら 云えぬもの
家なき家鴨が繰り返す水音

水面に跳ね返る自らの表情
視力が良くないから 確りとは見えない

その位が丁度良いのだと
何処からか慰めの言葉が降り注ぐ

空を 仰ぎ見るなんて 芸当は出来ぬ炎天下
抱えた玉の汗ごと スッカラカンに乾く陽に

あざ笑われて 終わりそうな 
今日のピーカン

あなたを てのひらのうえで ころがすよりも
ころころ ころころ

たのしく 舞い踊っていた方が
いっそ 倖せと言うものよ

しあわせの角度など
誰しも違うと知っていてね

それでも まだまだ 呟くの

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自由詩 掌に乗るもの Copyright 藤鈴呼 2018-11-16 09:23:45
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