チェリー
ミナト 螢
両耳にさしたイヤフォンで今
世界を閉じて音楽を浴びる
君は一人じゃないと歌えるのは
その人がとても幸せだから
カーテンを閉めた
孤独の窓には影が映らずに
双子のチェリーを食べた僕にも
分け合う誰かがいれば隣で
同じ波長のリズムに乗りながら
赤いチェリーをイヤフォンの代わりに
もっと近くへ行けるはずだった
掌に乗せたチェリーの種を
上に投げるのか下に落とすのか
実がなる年まで聴いているから
音楽と共に生きても良いね
寂しさを越えて季節は巡り
イヤフォンが耳に冷たく触れた
自由詩
チェリー
Copyright
ミナト 螢
2018-11-14 08:22:59