銀河鉄道
ミナト 螢

静寂に火を灯す人の声が
柔らかくて肌を滑るマシュマロ

撫でてあげたくなる普通の暮らし
弾む会話の出所が知りたい

同じ食事と短い睡眠で
命を縮めた願望の淵に
駆け付けてくれる友達を失くしたこと
今でも胸に刺さるガラスの破片

その痛みが君と生きている証になって
マシュマロを投げた僕を揺さぶる

屋根裏から見える星の光が
僕のガラスを窓に変えてゆくよ

空は大きな鳥かごみたいに
ゲートを開けて飛び交う群れの舞

羽根なんてなくても
か細い木の枝のような両手で
抱きしめた自分をリボンで包み

影を伸ばしたもう一人の僕と
電車ごっこをしてどこかへ行こう


自由詩 銀河鉄道 Copyright ミナト 螢 2018-11-12 08:20:54
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