やがて沈む夕陽に
こたきひろし

目を離した隙に
幼い子供は大人になってしまい
取り返しのつかない歳月は
アルバムの中に閉じられた

明日へとかかる橋の欄干に寄りかかって
遠くに見える昨日の夕陽は
泪に霞んでしまう

もう帰りたい
しかし
果たして何処かわからない
あの懐かしい匂いのする空の彼方へ

一度しか貰えないこの命
一度しか貰えないこの命

沈んだ夕陽の向こうには
待ち受けているに違いない
明ける事のない
暗い闇


自由詩 やがて沈む夕陽に Copyright こたきひろし 2018-11-12 06:36:52
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