詩のことで考えて
非在の虹

詩は完璧なものではあってはならない。
詩は完成してはならない。

不完全であることが前提であり、
自明なことなのだ。

詩の言語とは書き手の脳内の何事かであるから、
書き手の外部へは決して出ない。
書き手とは発信するだけの不完全(誰もが、だが)な人格であるから、
あたかもプラトンの男や女が全き時代の片割れを探し求めるように、
読者を求める。

読者とは、半身を失った書き手の恋人なのだ。
読者とは。 誰か。

詩には笑いが必要である。

詩にはエロティックな要素が必要である。


詩には感情はいらない。
それは詩が不完全であるからである。
感情は読者を得て初めて、読者の感情を持って、そなわる心的現象なのだ。


散文(批評随筆小説等) 詩のことで考えて Copyright 非在の虹 2018-11-07 07:47:59
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