秋の部屋/えあーぽけっと
そらの珊瑚

足で漕ぐのは
オルガン
という名の舟

音符の旅
息でつなぐ
ときおり苦しくなって
とぎれる
生きていたという波の上
気配だけになった猫
ふんわり鍵盤の上を渡る

秋の日は
すこしづつかしいで
オレンジ色の光でうすまる
指先の輪郭
耳に中に残る音
生きているという実感

冬を待っている毛糸の群れ
あれらはみな
獣の生まれ変わり



自由詩 秋の部屋/えあーぽけっと Copyright そらの珊瑚 2018-11-05 09:10:42縦
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