涙のわけ
st

ぼくの隣に 腰かけて

きみは なぜか 

涙ぐんでいる


話しかけると 消えそうで

涙のわけは聞けない


星空から 落ちてきた

涙のしずくが


月のひかりに キラリと冷たい


昨日よりやさしさが足りないの ?

それとも

今日の言葉に傷ついたの ?


寄りそう肩の

ぬくもりに


たしかな愛を

信じてはいるけれど


凍えそうな潮風に

こころもふるえてしまう


きみの手を

ぐっと握りしめながら


頬をつたう涙に

口づけて


涙のわけを

飲みこんであげる


どんなことでも

してあげる


だから

微笑んでほしい


きみを失くしたら

ぼくは

死ぬしかないのだから






自由詩 涙のわけ Copyright st 2018-11-04 05:25:57
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