想いのかけらは 聖歌にのせて
むっちゃん

叔母の葬儀が 教会で始まる  

司祭の語りかける 流暢な言葉に 深い人間愛を感じる

50年前に洗礼を受け 身を捧げて来た叔母の軌跡を 知らずに来た今

聖歌隊の 静かに漂う響きが 信者でないこの老躯にも 素直に染み入る

この心地よさは 不可思議な感覚

真心からの歌声は 実に爽やかに 砂に水の如く 無条件に効く 贈り物

半年前から 点滴も受け付けない 看取りの終活を経て 小さく 想像を越えて

枯れ果てた姿は 強烈に焼き付けられる

復活の地へと 旅立った叔母に 今少し触れた気がする

遠い昔 シルクロードを越えて 仏陀の流れを原始キリスト教が 受け入れた

いつか どこかで 読み知った様な 記憶がある

死後への セレモニーは 人生の最も大切な 命題 東西の隔て無く

既に交わり 時を経て受け継がれて来た 想いのひとかけらを 今日拾った



自由詩 想いのかけらは 聖歌にのせて Copyright むっちゃん 2018-11-02 19:29:06
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