アカペラ
ミナト 螢
あの歌の中に僕が生きていた
嘘みたいな言葉を本気にして
色褪せずにただ染まっていたくて
君の声だけが道を広げた
抱きしめるように独占できない
メロディはやがて誰かの心を
いっぱいに満たす平等な愛で
浸されてゆく朝の陽射しだろう
手で掴みたかった光はいつも
僕の目を潰し逃げていってしまう
君が見せている優しい世界の
裏側に潜む影を踏めたら
僕は何を信じていくのかな
裸の自分になれない癖に
もう音楽は通り過ぎたから
振り返るなよ遠い眼差しで
五感に澄み渡る言葉の響き
メロディが作る音の階段で
待ち合わせる歌を君は歌え
自由詩
アカペラ
Copyright
ミナト 螢
2018-11-02 08:14:48