薄いカクテル
藤鈴呼


大地ごと覆うような器
実も心も丸ごと入った

ときめいていた時間軸に
留まってしまった記憶マドラーを刺す

陽射しは熱い
眺めている瞳以上の存在感

絡まり続ける氷の果て
誰かが呟く悪夢の台詞

通常ならば折り合いの悪い実が
重なり合って弾けるは宵闇

飛行船の行方を描く軌跡
何処に離れた

三角形のトーテムポールのその先に
微かな未来が観えただろう

泡立つ波で 浮かび上がる泡で
思い出したかい 薄い カクテル

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自由詩 薄いカクテル Copyright 藤鈴呼 2018-10-31 01:41:21
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