僕が一階にしか住まない理由
青星円

かろうじて嵐の前に帰っていった
君の寝ていたベッドのへこみがまだ残っている

新学期の飛び降りのニュース
こんな天気じゃ天使も飛べないだろう

4階からなら助かるかもしれない
ニュースに聞き耳を立てる

強風にあおられ天使は土の上に落ちたそうだ
神様はきまぐれだ

君の残したベッドのへこみに顔を埋めてみる
君の鼓動が聞こえてきそうだった

一度飛び降りたことのある君
僕は一階にしか住まなくなった


自由詩 僕が一階にしか住まない理由 Copyright 青星円 2018-10-28 15:29:33
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