秋の空気と君の記憶
赤椿

遠い昔の秋に 落としていった 気持ちが

時折戻ってくることが ある

寒くなってきましたね 君は今でも生きていますか

君の声さえ 思い出せないけれど

心臓の 小さな痛みは 覚えているよ

眩しいほどに 黄色い 銀杏と

鮮やかな 赤い 落ち葉を

踏みしめながら 君を想う

さくりさくりと 乾燥した音が

足元から返事をして

何十何回目の秋が 君にも訪れていたらいいと思う


自由詩 秋の空気と君の記憶 Copyright 赤椿 2018-10-27 12:13:22
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