月の味
秋葉竹


雨が降った夜、純粋な目で
僕はこの街の水底を覗き込む

難しいネットの海の泳ぎ方
自由すぎて、
なんでもいえそうだった

だれの願いが叶うのだろう?
だれかの願いは
叶っているはずだ
飼い犬の
怖いので舌を出して従う様を
真面目なわがままな
あのように泳ぐあめんぼ映る日々、
わたしは、神様に従わなければ、
ならないなんて、
なんだ
なにをいっても
恨まれるんだ、嘘におぼれる

もそもそと
浮かぶ最後の誓いだった
綺麗にしなければ
堕ちたとしても
浮かばれるわけもなく、はてな
まったく興味ない歌声さらさら
いいキャラならびの予感降り来る


あ、そうか、主よ、主よ。
御身は光り輝けり。

雨は止んでくれた
そのとき忘れずにむかしの願いを
何度も何度も繰り返し
悲しみの色を滲ませて震える大気を
この身に感じて僕は
とんでもない楽観に背中を押されて
ラリホー
やっかみはんぶん、クラクラと
闇の遺伝子がこめかみ目がけて
時はゆき
ああ、そうなんだと納得した、っけ?

変わらない眠りの消えゆく世界で
バカみたいって呟いてない
けどられない無垢を誇った真実の重みは
いつまでもいつまでも
僕の好きなことだけ
考えておけばよいのだと
何の役にも立たないみなもから月を掬い
それを口に含むと
ゴクリと飲み干した、っけ?








自由詩 月の味 Copyright 秋葉竹 2018-10-27 00:07:49
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