ガジュマルのように
藤鈴呼


小さな鳥の運ぶ養分が 発芽する季節
根っこワークと呼ばれる 薄い表土に群がる
幾つもの感情

母なる大地と 誰が読んだのか
絡めても 絡めても 辿り付けぬ真実に
事実と違わぬ心を一筋 ゆっくりと注ぎ込む
その為に あなたは今日も 緑と共に 佇むのね

不思議な打楽器から流れ始める 鼓動のような音譜
今朝の雀と良い勝負だ
ピーチクパーチク まるで喋りながら走るようだ
ハンドルを握れば 森の奥へと 導いてくれる

掛け声も 感性も 脱ぎ捨てた浜では
のそのそと進む亀の甲羅が
固かった自尊心を 振り解くアンテナとなる
見難かった髪の毛を バッサリと切り落としたら
軽くなるのは 体重だけじゃあないよ

吸い上げるまで
辿り着くまで
あの土に
戻るまで

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自由詩 ガジュマルのように Copyright 藤鈴呼 2018-10-26 09:52:20
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