好き、になる
立見春香



汚したくなる
好きだから、かな?
どうでもいいなら
思いもしない
汚したくなるのは
どうしてなんだ?
あなたのこと
綺麗って、思ってるってことだ
綺麗な、真っ白な、
ふにゃふにゃだけど、まっすぐな心を
こんなわたしが言っていいなら
恋のピンクで汚したくなる

立ち止まって
じっと目を見て
どうしてわたしを
すこしとくべつな感情で見ているの
見ていてくれてるって
わたしに思わせる目で
覗き込むように
どうして
いつまでもそんな風に見ているのよ

照れる!

そしてしばらくしたら
「寒くない?」
って手を握って
自分のコートのおっきなポケットに
そのまま入れてくれたんだ

きゃ!

わたしのこと、どう思ってるの
優しさばかりが風に乗り
心にそっと吹きつける
ちゃんと言って欲しいのに
言ってくれないのなら
わたしをさらってくれたらいいのに
それができない理由があるなら
もう、知らないから、
わたしの心を黒く染めるの?

好きも嫌いも、もういいわ

わたし、あなたを、もう汚す
汚せるものならご自由にって
あなたのつぶらな目が言っている

わたし、あなたを、可能であれば
恋のピンクで汚してやりたい

あれ、
でも、ピンクなら汚すじゃなくて
ピンクに染める、かな?
恋のピンクに染めたくなるなら
それはこちらがあちらを好きだから

って、なるよねー

恋愛と書いて

なんか惚れちゃったら
負けみたいなゲーム

って読むよ(読まないよ)

その心は?

けっして読めない、無理矢理こじつけ
けっして読めない、心に溺れる

その心が?

けっして読めない、心が、好きだッ

って。






自由詩 好き、になる Copyright 立見春香 2018-10-25 03:39:17
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