帰り道の詩
ミナト 螢

落ち葉が舞ってる君を追いかけて
スニーカーの底で中敷になる

君を支えているんだと思える心強さを
震える身体で伝えようとしたのに

眠りに落ちて低くなる体温
君を冷たいまま放置していた

風に食べられる落ち葉の穴に
光を通して遊んだ日のこと

懐かしいという言葉の匂いは
季節外れの空に上がる花火

最後の一発を残す余韻が
静寂の中をひとりで歩く

火照りのように赤く色付いた
中敷もそろそろくたびれたな

幾らでも選べる帰り道で
イエスとノーの間にある気持ち
置き去りにしない日本語が好きだ


自由詩 帰り道の詩 Copyright ミナト 螢 2018-10-24 08:58:28
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