ピクニック
ミナト 螢

パジャマ姿で病室に眠る
その腕を繋ぐ点滴のリズム
どこかで落とした涙のように
揺れるカーテンを眺めて思う

向こうの世界へ飛び出す身体に
大きな羽根を与えてくれないか

お弁当箱にしまった光が
蓋を開けたら空っぽになって
林檎やパイナップルを詰めながら

甘い香りで誤魔化す虚しさを
胸いっぱいに広げた花畑

光は匂いがないのにどうして
僕たちのことを探せるのだろう

深い意味もなく吐き出す言葉に
靴を履かせて旅へと送り出す

レジャーシートを敷いた上に座る
僕たちはいつも裸足を好み
日焼けもせずに青い肌のまま
バナナの皮に滑ったりするのさ


自由詩 ピクニック Copyright ミナト 螢 2018-10-22 08:25:12
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