タイの夜のどこかで
番田 


僕はタイのドミトリーにいたのだった
蒸し暑い階段を登る時に思う 僕は 今 タイだ
事前に予約しておいたベッドに案内された
白いシーツに横たわると そこに 四角い窓


僕はそして風の入る窓の外を見つめていたのだ
どこかリラックスした思いで しかし 窓の中に
そして 思いの中に過ぎていく時間を感じさせられた
東京とは少し違う顔をした僕だった


僕はそれから 屋台に向かった でも いたのは少しだ
食べ物屋といえばそこぐらいだった屋台
あるだけでありがたい そして レストランではなく
ただ 黄緑色のビニールテントがあるだけの屋台だ


しかし鉄のテーブルでカオマンガイを食べた 炭色のような
出入りする労働者たち しかし 僕の風体も似たようなものだ
そして 出入りするのは まだ 若い人ばかりの労働者たちだ
僕は一人で見つめていた 労働者たちの輝く タイだった



自由詩 タイの夜のどこかで Copyright 番田  2018-10-22 00:09:47
notebook Home 戻る  過去 未来