どうすればよいのかが、わからない
秋葉竹

もうあざやかさにそめあげられた青空が
海に落とされ
凍りつく落下速度の門を
美しく破る波の牙

切り立つ崖の上に立って私の
半生を眼下の海に沈めたい

秋も終わり

歌う虫もいず

あなたもいなくなった地上を
見下ろす魂は
雲の上から
青空をたゆたい
亡霊の儚さで
消えかけている
消えかけている愛を
取り戻そうとして
取り戻せずに
雲の上からただ地上を
見下ろしている

従順な犬の子のような
あからさまな可愛い子ではなく
小賢しくも好きになってもらうための
あさましい擬態もみせたりも
したわ

あなたが
いないとこの想いではなくこの体が
静かな息をしながら
死んでゆくのをしっているから
箱舟が地球の救いとなるなんて
くだらない嘘を
嘘だと言いあげて
箱舟を奪い取って
あなたを探しにゆくわ

「僕には、応えられない」
というあなたが放った
この眼の裏に氷の痛みを与える言葉

あなたへの恋慕が
止まらない心をへし折った
真っ黒な凶器は
私をほんとうに変えてしまった

ほんとうの言葉って、なに?
ほんとうの心って、なに?

さみしげなあなたの目のような
いちど海に落とされた
あざやかな青空の下

あなたは知らない私の半生を

切り立つ崖の上に立った私の半生を

眼下の海に沈めたい


どうすればよい
心の安寧のためじゃなく
この
自由な心のために
争うことさえ 拒まない情熱の魂を
あなたに渡すことができるのかと
疑い
悩んでしまったときに
私があなたを好きでいつづけるためには
どうすればよいと、いうのだろう





自由詩 どうすればよいのかが、わからない Copyright 秋葉竹 2018-10-21 00:05:05
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