風使い
1486 106

知らない人だらけの教室の中で
周りの会話に耳を傾けていた

誰か話し掛けてこないかな
友達ができたらいいな

一人きりで弁当を食べながら
周りの会話に耳を傾けていた

誰か話し掛けてこないかな
友達ができたらいいな

自然と周りに溶け込めるように
空気を読んで空気になって
風が背中を押してくれるまで
空気を読んで空気になって


うつ伏せになって寝たふりしながら
周りの会話に耳を傾けていた

誰か話し掛けてこないかな
友達ができたらいいな

聞こえてきた自分の悪口に
何も聞こえないふりをした


自然と風景に溶け込めるように
空気を読んで空気になって
誰の目にも映らなくなるくらい
空気を読んで空気になって

このまま耐え続けるくらいなら
風を起こして空気を変えたい


自由詩 風使い Copyright 1486 106 2018-10-20 19:40:42
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