B級
腰国改修

青い秋空を背負って大きな芋虫が私の頭上を走り去った
半分だけ残った発泡酒を飲み干せばB級映画のような
夢を見ることが出来る
それで満足
いつの日か、私は私の墓標を見ながら
誰かが供えてくれたガラスコップに入った清酒を飲む
B級映画のようなあの世で(それは安酒のせい?)
やはり退屈して今と同じようにグダグダするだけで
生きていても死んでいてもそれでは一緒だと
自己嫌悪
それはそれで、いいのよと無責任でB級な観音様が私に言った
酔ってるよ。酔っているけど、焦っちゃいない。ほんとに。
ただ、やっぱり歩き疲れたよ。
芋虫に乗る金もない
26時青空は消えて何もかもから遠ざかって白けてる
確かに足もとに来てるよ、いつもの悪酔い
金、ないけど、タクシーを停めよう
クラクション、ブレーキ音、ドンという調べ
いきなり交響曲のサビの部分
痛みよりも熱さに飲み込まれて私は死んだ


自由詩 B級 Copyright 腰国改修 2018-10-17 23:24:52
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