よみち
犬絵

つきが
照る

みちに
街灯
しろく
照る

ひとり
あかるい
零時が
この部屋に
きて


土色の
燻んだ
顔が
恥じるのは

みち
まちへ
出たいと
希うこと
ネオンの
海を
闊歩し
たいと
希う



なんど?
グラスを
あければ
なんど?
酔いしれ
られる?
暗く
湿った
小人が視えて
グラスの中から
私を
みつめて
ちいさな命の
ちいさな声で
『ナニヲ、シテ、キタノ?』
ひからびた
ことば
ポトリ
落とす


だれも
そうさ


だれも
じぶんが
いちばん
かわいい
もんさ

言い放つ


ねぇ

君の為
だけに
生きる
いっしょうも
よいよ
ふたり
からまり
ながら
ゆこうよ
あの
世界の果てまで
それで
君の
心の
石が
溶ければ
よいよ



みち
ゆく
狂った瞳を
かくさずに
ワインを
血として
つぶれる
まで
飲む

みち
ゆく
風を
切る
夢を
見せて?


真っ暗な
そら


さびしいとき
なに
すれば
いい?


むりって
理性やら


知性じゃ
なんの
やくにも
立たない
世界さ


ただ

あっは
って
あっはっは
って
笑っていられる命は
懸命に
遮二無二
まえをむいて
歩いて
ゆこうと
している
ちから


なの?



みち
ゆく
ふたり
ゆく









自由詩 よみち Copyright 犬絵 2018-10-13 09:26:23
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