水宮うみ

心は数にはあまり似ていない。
どちらかといえば、数と数をつなぐ、演算のほうに似ている。
その演算が、僕らを突き動かし、無数の鮮やかな数式を描いていく。
その式の出す結果に、救われたことも、
傷つけられたことも、あったね。

僕らは数ばかり見てしまうけれど、大事なのはきっと式のほうなんだろう。
数だけが数学じゃない。目に見えるものだけが、世界じゃないように。

数から始まった、果てなき迷宮の果てに、なにかがあるはずだ。
そのなにかはもしかしたら、ここにある心かもしれない。


自由詩Copyright 水宮うみ 2018-10-04 20:34:38
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